全てを理解したとて私の欲しいものは帰ってこない
全てがわかったとてこの先の未来に望みはない
けれど私は自死を許されぬ
そう、私は神の虜囚





イジェア・セー。リース人の少女でクィーダ歴293年誕生、同歴327年没。享年34。
歴史で確認されている二人目の「神に愛されし人間」で最初の「天明地明」。
覚醒は10歳。魂別れは幼馴染であり、婚約者でもあったレイドラ・アト。


リースの裕福な商人の娘として生まれたイジェアは快活で無邪気な少女でした。
そして幼馴染で、地元の漁師の元締めの息子、レイドラとは親同士が決めた婚約者。
けれどイジェアとレイドラの仲は良く、結婚することにも疑問など持っておりませんでした。
レイドラは幼い頃から非常に賢く、商人であるイジェアの父はそんな彼を非常に買っていました。
けれど8歳頃から、レイドラは子供らしくなく家にこもり沈む事が増えました。
イジェアはとても心配しましたが、結局その理由がわかったのは彼の死後でした。




覚醒していなかった《半神》で、レイドラから力を譲られたことで生き延びた少女です。
「神に愛されし人間」という概念を確立させたのは彼女です。
ただその中に《魂別れ》についての記述はありませんでした。
彼女は多分わかっていたけど認めたくなかった。自分のためにレイドラが死んだと。
だからこの段階では《魂別れ》の存在は知られていません。
15歳になったイジェアはリースの宰相になります。何かを忘れるように仕事に打ち込んだ彼女。
彼女の地位を狙う者に毒を盛られ死亡するまで、彼女は孤独を貫きました。